• トップ > 
  • 症例2 矯正的挺出により歯の保存を試みた1症例

症例2 矯正的挺出により歯の保存を試みた1症例

被せ物の脱離で来院されました。不良根充と根の先に大きな根尖病変(膿の袋)を認めます。

歯肉縁下カリエスを認めることと、フェルール(歯冠補綴物が残存歯質を抱え込む部分 補綴物が維持するためには大事な部分)がないことが

補綴物の脱離の原因かと思われます。また、カリエスによる辺縁漏えいで根の中に細菌が侵入し、膿の袋ができた可能性も考えられます。

脱離しにくい補綴物作製のためには安定した歯周組織(生物学的幅径)とフェルールの獲得が重要です。まず生物学的幅径(フェルールを含め)を獲得するために矯正的挺出を行います。

挺出が終了し、根管処置と伸展した歯根膜を切断するために外科処置を行います。

外科処置をしたことで生物学的幅径とフェルールを獲得しました。  補綴物が歯牙を抱え込むことで補綴物の脱離や辺縁漏洩は防ぐことができます。                            ファイバーコアを築盛し、支台歯形成を行いました。

最終補綴物を装着しました。歯周組織との調和もとれ、適合の良い被せ物ができました。根の先にあった黒い像(膿の袋)も縮小傾向にあります。

このように歯肉に埋まって抜歯適応の歯でも抜歯を防ぐことができます。もしこの歯を抜いていたらどうなっていたでしょうか?両隣の綺麗な歯は削られブリッジ(つながった被せ物)になっていたでしょう。 人工物が被さると虫歯になるリスクが高くなり、将来的には今回治療した歯のように進行していく可能性があります。たかが1本の歯でも守らないといけないのです。

 

インスタ

受付時間外
はWeb予約で
トップへ戻る